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  • Team KAGAYAMA SUZUKI Asia、開幕戦で不運も着実に前進

    ARRC 2015 Rd1 Topan

     

    FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)がマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットで、第一戦の開催を迎えた。

    ARRCのスーパースポーツ600㏄クラスにSUZUKI GSX-R600の2台を走らせるTeam KAGAYAMA SUZUKI Asia は、この日初めてのレースを迎えることとなった。ライダーは芳賀紀行こと#41ナイトロ・ノリ選手とジャカルタ出身の若手、#25 ラフィード・トパン・スシプト選手の2名。

    SUPERSPORT_10決勝日となる4月19日(日)。前日までのセットをさらに進め、朝のウォームアップ走行では、芳賀紀行選手が1分5秒884(11番手)、ラフィード・トパン選手が1分5秒906(12番手)と若干だがタイムを削ることができ、レース1に向けて最終確認をすることができた。

    この週末は常に好天に恵まれていたが、この全25周で争そわれるレース1も炎天下でのレースとなった。11時40分にレースがスタートするが、スタートと同時にロケットスタートを決めた芳賀選手がまさかの10人抜きを演じ、2番手で1コーナーを抜けていく。一方のトパン選手は11位でオープニングラップを終えている。

    しかし、3-4コーナー間の上り区間では苦しい展開となり、芳賀選手は徐々にポジションを落としていく。一方のトッパン選手も14番手あたりを常にキープし、一時は芳賀選手の後ろに着くまでとなってしまう。そして、レースも残り1周となった最終盤、芳賀選手の11番手争いを展開していたグループの中で1コーナーで1台がスリップダウン。それに巻き添えを喰らう形で芳賀選手が転倒。リタイアはしなかったものの、チェッカーを受け、15位でフィニッシュとなった。その複数台が絡んだ芳賀選手のクラッシュを回避したトパン選手は、ポジションをアップ。目標としていた9位に入り、入賞を果たし、7ポイントを獲得した。

    SUPERSPORT_5続くレース2は、夕方4時過ぎのレースであったが、気温32度の猛暑の中、スタートした。さすがにレース1の時のようなスタートダッシュは見られなかったものの、芳賀選手は6番手、トパン選手も9番手まで順位を上げてレース序盤からトップグループに喰らいついていく。レースも折り返しを過ぎた10周目、ホームストレート上に大粒の雨が落ちてきた。そこで芳賀選手はいったん様子見でペースダウン。一方のトパン選手はここで一気にジャンプアップ。なんとここでトップに上り詰め、Team KAGAYAMA SUZUKI AsiaのSUZUKI GSX-R600がレースを引っ張ることとなった。しかし、その望んでいた雨も、本降りになることもなく天候は回復。それとともに、トパン選手は再び集団に呑まれて行ってしまい、12位という結果でレースを終了した。一方の芳賀選手は、降雨のタイミングでいったん様子見で後退し、雨の状況を確認の後、再アタックを開始した直後に他車と接触をして転倒、リタイアを喫してしまった。

    Team KAGAYAMA SUZUKI Asia初戦は、なかなか厳しい結果となってしまったが、チームはこの結果を真摯に受け止め、続く第2戦へ向けた準備をすでに進めている。2015ARRCの第2戦は、6月4日~7日、インドネシアのセントゥール・インターナショナル・サーキットで開催となる。

    武田雄一 | チームマネージャー
    「苦労はするだろうと覚悟はしていました。ライダーの技量を考えれば、この結果は納得のいくものじゃないでしょうが、それでも時間の無い中でベストを尽くせたと思います。ライダーの2人とも初のアジア選手権のSS600であったため、完走してデータを取りたいということもあって、芳賀選手は残念ながら不運なアクシデントに見舞われましたが、トパンはポイントも獲得してレース1については良かったと思います。
    レース2も、あのコンディションのままだったら、とたらればを言いたくなるくらい残念なレースでしたが、要所要所でいいところがあって、途中までいいレースをしていたかなと思っています。マシンのデータを基にレベルアップしないといけない次戦まで日本に持ち帰り次戦に備えたいと思います。」

    芳賀紀行 | #41
    「情けない結果となってしまいました。しかし、このレースとマシンには、何が必要であるかをしっかりつかむことができたと思います。

    レース1ではラスト2周までは我慢のレースでした。ポジションをキープしながらなんとか前に出る機会を探っていたところ、他車の転倒に巻き込まれてしまって、非常に残念なレースでした。レース2も雨が降りだし、このアジア選手権では雨によるレースの中断というルールが無いので、そのままで行くか、ピットに戻ってレインタイヤを装着するか、という2つの選択肢しかないので、前の様子を見ながら自分のペースをつかみ直して、ここから一人ずつ抜いていこうとスパートをかけた、その2コーナーの進入で、他のライダーにブレーキレバーが接触し、転んでしまいました。

    次のレースに向けた改善点は見つかったので、今回のレースは結果ゼロでしたが、次回に向けて気持ちを入れ替えて頑張ります。」

    ラフィード・トパン・スシプト | #25
    「週末を通してカガヤマのチームは常にいい雰囲気で楽しかった。そしてなによりも走るたびにバイクのセットアップがよくなっていてとてもうれしい。特に、レース1は目指していた10位以内、芳賀選手より前でゴールするという課題を達成することができました。それは、自分が自信を持って走れるようなマシンを作り上げてくれたチームのみんなのおかげだと思います。
    レース2は雨が降り出して自分にとって有利な状況が出来上がって、うまくトップに立つことができましたが、天候が回復してしまったら、残念ながらまた元の不利な状況に戻ってしまいました。

    どんな時でもトップに立てて、そして勝つことが目標なので、頑張っていきたいと思います。次回は地元インドネシアでの開催なので全力を尽くしてレースに挑みたいです。サーキットはよく知っているコースだし、そういったこともうまく使ってレースに勝ちたいです。」