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  • TEAM KAGAYAMA、3度目の鈴鹿8耐で3年連続の表彰台獲得

    2015 8H Start

    7月26日(日)、2015 FIM世界耐久選手権シリーズ第2戦、”コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第38回大会決勝日である。レースウィーク中、雨が降っていたのは初日の午前中のみで、この決勝日も朝から全く雨の心配のない好天に恵まれた。

    TEAM KAGAYAMAは、この3回目の8耐挑戦にむけて、加賀山就臣選手、芳賀紀行選手、清成龍一選手という3人のライダーをラインナップ。ともに鈴鹿8耐の優勝経験者である。今回鈴鹿8耐最多優勝に向けての期待がかかる清成選手が4勝、さらに加賀山・芳賀選手が1勝ずつ、つまり6勝の経験を持つチームである。もちろんライダーとしても、芳賀選手の43勝を始め3名で世界選手権50勝という、3名ともが実力派である。

    午前11時半に始まる決勝レース、そのスタートライダーは、清成選手である。8耐恒例のコースの向かい側からマシンへ走っていきエンジンを掛けてスタートするというル・マン式で、真っ先に飛び出したのは5番グリッドスタートの清成選手であった。マシンを始動して一気に飛び出すと、全70台の先陣を切って1コーナーに飛び込んでいく。その後は順位を落としたものの、7番手をキープして走行。得意の燃費走行で29周まで引っ張っての走行を終え、2番手の加賀山選手にマシンを託す。しかし、トップを走行するマシンが転倒しコース上に止まってしまったため、コース上には2台のセーフティカーが入る。

    トップ3台とは別のセーフティカーの後ろについているため、2台の間隔分、1分10秒ほど離された状態で、午後0時53分、TEAM KAGAYAMAの17号車は5番手からのリスタートとなった。ひとつ前の4番手のマシンを39周目のダンロップコーナーでパスし、4位に浮上する。

    しかし、44周目のシケインで、加賀山選手がまさかのスリップダウンを喫してしまう。再スタートできたものの、その分の時間をロスをしてしまう。その直後に他所でも大きな転倒があり、またしてもセーフティカーが導入。マシンのダメージもそれほどなく、さらに7番手まで落としてしまった順位もセーフティカーで開いてしまった差が帳消しになり、すぐに順位を戻し、4番手でピットへ戻る。

    そして、3人目の芳賀選手に交替。徐々に後続を引き離していくものの、前を行くトップ集団はコース半周、1分30秒先である。プッシュを続けるものの、周回遅れの遅いマシンに引っ掛かり、実力派の芳賀選手といえども、前を狙うどころかトップ集団との差はさらに拡がっていってしまう。約1時間の走行を終えて、再び清成選手に交替した時点では、ポジションは4番手をキープしたもののトップのマシンにラップダウンされ周回遅れとなってしまっていた。

    それでも、トップ集団の一台が転倒、その修復作業に時間を取られたこともあり、3番手に浮上。加賀山選手、清成選手へと、3位をキープしてマシンを繋いでいく。トップとは約1周強、後方4番手とは約1周弱のマージンがある状態での走行を淡々と重ね、残り1時間で、最後のライダー、芳賀選手にバトンタッチ。6度ものセーフティカーが入った荒れた鈴鹿8耐であったが、トップから1周遅れとなる203周を走りきり、参戦したスズキチームの中で最高位となる3位となり、TEAM KAGAYAMAは3年連続3度目の表彰台を獲得した。

    加賀山就臣|第1ライダー  
    ダンロップをはじめ多くのスポンサーのおかげでレースができています。まず、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。また、ピットまでわざわざ足を運んでいただきました鈴木俊宏スズキ新社長にも感謝いたします。  我々は、プライベートチームですが、他のワークスチームに負けていない戦いをできました。今回こそ優勝をという意気込みで参戦したわけですが、残念ながら、今年のヤマハとホンダの壁は高かった。芳賀、清成という、この二人の素晴らしいライダーの名前を汚さないようにしなければならなかったのに、勝てるバイクを用意できなかった。それについては申し訳ないという気持ちでいっぱいです。それでも現状あるものでベスト以上の結果が残せました。二人のライダー、そしてチームスタッフには感謝しています。特に今回は6回もセーフティカーが入るという波乱のレースでしたが、この状況の変化に対応して戦略をその場で練り直し、7回ピットですら難しいこの8耐で6回ピット作戦も実現してくれました。自分がこけてしまいましたがそれをリカバリーしてくれたみんなに感謝です。

    芳賀紀行|第2ライダー
    事前のテストからマシンのセットアップはいい方向に仕上がっており、きっちり予選まで持って来れたし、決勝も転倒はあったもののほぼ大きなトラブルは何事もなく、チームのみんながそれぞれやるべきことをしっかりやってくれた結果だと思います。清成選手が10歳近く離れているオヤジ二人の面倒を見て、3スティント走ってくれたおかげで、またしても表彰台に登ることができました。プライベートチームなんですが、上出来の結果だと思います。またチャンスがあったら、今度こそ優勝を狙いたいと思います。

    清成龍一|第3ライダー
    ミスの無いように走って、マシンを渡せば必ず結果が付いてくる先輩たちなんで、走りに集中してました。実は、レースウィーク初日、2日目ともに、練習セッションの早いタイミングでコケてしまって、セッションでテストするべきことができないまま潰してしまってまして、申し訳ない気持ちでいっぱいで、直してくれたスタッフに感謝しています。そのミスが無かったら、ビビらずにプッシュすることもできて、もっと面白いレースになっていたかと思います。もし、来年があればもっと違うストーリーのあるレースをしたいと思います。

    斉藤雅彦 | チーム監督
    決勝レースは路面温度も非常に高く、レースのペースもそれほど速くなかったレースでしたね。周回遅れのマシンが多く、これをパスしつつ速く走るのは経験と慣れが必要ですが、TEAM KAGAYAMAの3人のライダーはともに速かったですね。今回は清成選手を起用したのですが、清成選手は非常に燃費よく走ることができるライダーで、タイムを落とさずに燃費よく走るその走り方を他の2人のライダーにもお願いして、燃費よく走ることができました。清成効果が効いたと思います。

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