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2016.8.3
鈴鹿8時間耐久、トラブルを乗り越えラスト10分でつかんだ価値ある6位
■大会名
2016 FIM世界耐久選手権シリーズ第3戦 “コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第39回大会
■開催日
[公式練習] 2016年7月28日(木) 天候:晴れ/コース:ドライ
[予選] 2016年7月29日(金) 天候:晴れ/コース:ドライ
[TOP10トライアル] 2016年7月30日(土) 天候:薄曇り/コース:ドライ
[決勝]2016年7月31日(日) 天候:快晴/コース:ドライ
■観客動員数 12万4000人(4日間合計)
■開催場所 三重県 鈴鹿サーキット(1周=5.821km)
■ライダー 加賀山就臣・清成龍一・浦本修充
■マシン SUZUKI GSX-R1000 L6 YOSHIMURA Tune UP
■結果
[公式練習] 6番手(清成龍一 2分09秒779)
[予選] 8番手(清成龍一 2分08秒474)
[TOP10トライアル] 6番手(清成龍一 2分07秒651)
[決勝] 6位/213周
Team KAGAYAMAとして4年目の鈴鹿8耐となった2016年。
これまで3年連続で3位に入り表彰台に上がり続けてきましたが、今年は、2位、そして優勝を目指して事前テストから精力的にマシンのセットアップに勤しんできました。
チームオーナー兼エースライダーの加賀山就臣を中心に、2年目となる清成龍一、そして今シーズンよりTeam KAGAYAMA入りし、全日本J-GP2クラスで開幕4連勝中の浦本修充という3名で臨みました。
ブリティッシュスーパーバイク(BSB)に参戦中の清成は、5月の第3戦ブランズハッチ・インディ・FP2で転倒し鎖骨を骨折していましたが、その影響を微塵も感じさせない走りを事前テストから披露していました。しかも、事前テスト、そして鈴鹿8耐本番の合間にイギリスでレースがあるハードスケジュールにも関わらずチームを引っ張る走りをしてくれていました。清成の調子がいいこともあり、チームとしては清成の走りを伸ばす方向でマシンをセットアップ。加賀山も、ほぼ同じペースで走れていましたが、Team KAGAYAMAで初めて鈴鹿8耐に参戦する浦本に対して十分な走行時間を取ることができていませんでした。そんな中、浦本も着実にタイムを縮めてきていました。
木曜日から始まったレースウイーク。天気はウイークを通じてドライコンディションとなり、日に日に暑くなって行きました。
■予選
公式予選も清成がタイムを出しやすいように出走ライダーが少なく、路面温度も下がるであろう第3ライダー枠で走ることにしました。さらにタイヤ本数制限もあるため、浦本にはユーズドタイヤで我慢してもらい、清成のときにニュータイヤというローテーションとなりました。
第1ライダー枠では、加賀山が出走し、1回目のセッションで2分09秒188をマーク。ユーズドタイヤながら浦本は2分10秒911を出し、第3ライダー枠の清成は、2回目のセッションで2分08秒474のチームベストを出し、総合7番手。
狙い通りの展開でTOP10トライアルへの進出を決めました。
■TOP10トライアル
予選上位10チームによって1周のタイムアタックで争われるTOP10トライアル。
まず加賀山が出走し2分08秒425をマーク。清成は、それを上回る2分07秒651と、このレースウイークで一番のタイムをマーク。ポジションを二つ上げ、6番手グリッドからスタートすることになりました。
予選用タイヤを使うチームが多い中、決勝用タイヤで出した、このタイムは、レースに向けて好材料となっていました。
■決勝
今年もスタートライダーは清成が担当。カウントダウンからマシンに駆け寄るル・マン式スタートで8時間先のゴールを目指してレースは始まりました。
清成は、真っ先に1コーナーに入り、2年連続でホールショットを奪うと、そのままレースをリードして行きます。2分08秒台で周回を重ね、背後には連覇を狙うYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行選手がピタリとつけていましたが、他のライダーは、このペースについて来られず一騎打ちのトップ争いとなっていました。その後、18周目のシケインで中須賀選手にかわされ2番手に下がると、後方から追い上げて来たライダーとの差を確認しつつ、1回目のピットインに向かいます。
2番手をキープしたままピット作業に入ったところ、リアのスタンドフックが破損するトラブルに見舞われタイムをロスしてしまいます。加賀山がコースに戻ったときには、8番手まで順位を下げてしまっていましたが、徐々に追い上げ5番手までポジションを回復していました。そして加賀山の1スティント目も最後の周に入ったところでトラブルが発生。フロントホイールにクラックが入り、スローパンクチャーになってしまいます。転倒は免れたもののスローダウンし、何とかマシンに乗ったままピットに戻ってきた加賀山でしたが、またも大きく順位を落とす結果となってしまいました。
序盤にして2度のアクシデントに見舞われ一時は28番手までポジションを落としてしまいましたが、浦本は、自己ベストを出す走りを披露。清成と加賀山も最後まであきらめない走りを見せ、ラスト10分を切った211周目の周回で6番手に上がり、213周を走り切りチェッカーフラッグを受けました。
4年目のチャレンジは、表彰台に乗ることはできませんでしたが、常に攻めの走りを展開できたことが、今までにないことでした。チームを引っ張る走りを見せた清成、ライダーとして成長を見せた浦本、そして、それを支えた加賀山という布陣は、来る2017年の鈴鹿8耐に向けて、いい手応えを感じることができたレースになりました。
これからもTeam KAGAYAMAに、ご期待ください。
◎加賀山就臣コメント
「今年も多くのスポンサーと応援者に支えられ、鈴鹿8耐に参戦することができました。優勝を目指しましたが、序盤に2回もトラブルが発生してしまい大きく順位を落としてしまいましたがラスト2分で6位まで追い上げることができました。最後まであきらめずに、チーム一丸となって追い上げることができただけに、悔しさもありますが、ファクトリーチームにも決して負けていない戦い振りを実践できたと思っています。精一杯やった結果なので胸を張ります。本当に、多くの応援ありがとうございました」
◎清成龍一コメント
「事前テストから去年のいいところ、悪いところを踏まえながらロングランもできていましたし自信はありました。チーム、そして加賀山さんが、うまくコントロールしてくれていたので、ボクは走りに徹することができました。結果は悔しいですが、レース内容ではプラスになることもありましたし、来年もTeam KAGAYAMAで走らせてもらえるならば、おもしろいレースができると思います」
◎浦本修充コメント
「事前テストから、もっといい走りができていればと、自分の不甲斐なさを感じました。ただ加賀山さん、清成さんという尊敬するライダーと一緒に走ることができたことは、すごくいい経験になりましたし、これからに生かして行きたいと思います。そして来年も、もし走らせてもらえるならば、チームを引っ張っていけるようなライダーになりたいと思っています」
◎斉藤雅彦監督コメント
「トラブルを出してしまいライダーに申し訳ない気持ちです。タイム的には、去年以上の走りができていましたし、清成は予想以上の走りをしてくれていましたし、浦本は決勝で一番いいタイムを出していましたので、なおさら悔しいですが、これも鈴鹿8耐の難しさだと思います。この結果を、来年につなげてトップを狙えるバイク作りをしていけるようにしたいと思っています」