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2017.4.16
スズキ・アジアン・チャレンジ第2戦、藤田哲弥選手が今シーズン初優勝
FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)は、タイの東部、ブリラム県にあるチャン・インターナショナル・サーキットで、4月13日(木)~4月15日(土)にかけて、2017シーズンの第2戦が行なわれた。
加賀山就臣がプロデュース・監修するスズキのライダー育成プログラム「スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)」も、このARRCの一戦に組み込まれており、3年目のシーズンとなる。1イベント2レースが行なわれるが、14日(金)に行なわれたレース1では、10台のトップ集団が最後までもつれあう展開となり、#16 April King H. Mascardo(エイプリル キング・マスカルド/フィリピン)選手が、開幕戦のレース2に続き2連勝を飾っている。
そして迎えた15日(日)。決勝レース2の前にウォームアップ走行の時間が設けられ、ここでも、これまでの練習走行セッションと同じく、ポールポジションを獲得した#18 Patis Chooprathet(パティス・チョープラテット/タイ)選手、そして予選で2番グリッドを獲得している#78 Punchana Kulrojchalalai(プンチャナ・クルロジチャラライ/タイ)選手が好タイムを記録し、タイ勢が優勢であった。
フロントローには、タイの2選手、そして#27 Nur Alfath Sam Ahmad(ヌル アルファッ サム・アーマド/インドネシア)選手が3番手に並ぶ決勝レースは、午前10時55分にスタートした。
全7周で行なわれるレース2も、前日のレース1と同じ。目まぐるしく順位は入れ替わり、トップ集団は最終ラップの最終コーナーまでもつれあい、チェッカーフラッグが振られるまで誰が勝つかわからない展開であった。レース1と違うのはトップ争いが10台ではなく11台に増えていること。
そして迎えた最終周の最終コーナー。ここでアクシデントが発生した。最終コーナー手前のストレートでリアタイヤをロックさせながら一台がコーナーへ進入し接触転倒。さらにその後方でも接触があり、トップを走行していた選手も含む全8台を巻き込んだ多重クラッシュとなってしまう。ここで、前に出たのが、このトップ集団の後方にいた、#17 Fujita Tetsuya(藤田哲弥/日本)選手、#46 Aaron Alexander Gunawardena(アーロン アレクサンダー・グナワルデナ/スリランカ)選手、そして#11 Ahmad Saugi Muchtar(アーマド サウギ・ムクタル/インドネシア)選手、#76 Chepy Armansyah Suryadi(チェピ アルマンシャ・スルヤディ/インドネシア)選手であった。
この中で唯一後ろを振りかえらずにチェッカーまで突き進んだ藤田選手が真っ先にゴール。続いて、アーロン選手、そしてサウギ選手の順でチェッカーを受けた。多重クラッシュした全8台は、すぐにマシンを起こし走行を再開。車両のダメージがひどかった#29 Mario Borbon Jr.(マリオ・ボルボンJr./フィリピン)選手もマシンを押しながらも無事にゴールした。
今シーズン唯一の日本人選手である藤田哲弥選手は、開幕戦レース2で2位を獲得していたが、今回は見事表彰台の真ん中に立つことができた。ポイントランキングでは、開幕戦と第2戦でそれぞれ一勝を挙げている#16 April King H. Mascardo(エイプリル キング・マスカルド/フィリピン)選手がトップをキープ。2番手には、まだ優勝経験はないものの確実にポイントを挙げている#27 Nur Alfath Sam Ahmad(ヌル アルファッ サム・アーマド/インドネシア)選手が入る。藤田選手はそのあと3番手につけている。
シリーズ唯一の日本戦となるSAC第3戦は、鈴鹿サーキットで6月3日(土)~4日(日)に開催となる。
2017 SUZUKI ASIAN CHALLENGE
Round 2 Race 2 Results1. #27 Tetsuya Fujita (Japan)
2. #46 Aaron Alexander Gunawardena (Sri Lanka)
3. #11 Ahmad Saugi Muchtar (Indonesia)
4. #76 Chepy Armansyah (Indonesia)
5. #16 April King H. Mascardo (Philippines)
6. #18 Patis Chooprathet (Thailand)
7. #27 Nur Al Fath Sam Ahmad (Indonesia)
8. #96 Bikram Thapa (Nepal)
9. #78 Punchana Kulrojchalalai (Thailand)
10. #32 Prahbu Arunagiri (India)
11. #33 K.Y. Ahamed (India)
12. #29 Mario Borbon U. Jr. (Philippines)
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DNF #22 Eane Jaye S. Sobretodo (Philippines)
DNF #43 Edward Faulkhead (Australia)#17 藤田哲弥 | Race 2 Winner
「無理に前に出ても危ないので、まず、トップグループについていくことだけを考えてレースに臨みました。基本的には計画通りだったのですが、最終ラップで集団の後ろになってしまいました。ですが、転倒があってみんなが外側へ逃げていき、イン側が開いていたのでそこに突っ込んで夢中で走り切りました。次回は鈴鹿でのレースとなるので、次回もいいところを見せられるように頑張ります」 加賀山就臣 | ゼネラルマネージャー
「今日も見ごたえのあるレースでした。中でも、アーロン選手は、スリランカ人としてアジア選手権初の表彰台が獲れて良かったと思います。今回優勝した藤田選手は、前戦の2位から今回初優勝と流れはよくなってきています。今後が楽しみです。
また、今回ゲストライダーとしてパティス選手に来てもらいました。予選からスピードではその実力をいかんなく発揮してくれました。レースではさすがに結果が出なかったのですが、SACライダーたちのレベルを確実に引き上げてくれたと思います。感謝しています。
次は鈴鹿でのレースとなります。私の母国であり非常にテクニカルなコースです。ぜひ次回もこのスズキ・アジアン・チャレンジの若者たちへの応援をよろしくお願いいたします」八代俊二 | ライダーコーチ
「最終ラップまで激しいバトルを展開してくれました。コースの特性上、予想していましたが、一部に無茶をするライダーがいたことが引き金となって、最後の最後で大量の転倒者が出てしまったことで、ちょっと残念なレースとなってしまいました。ケガ人がなかったのは幸いです。冷静にこの多重クラッシュをかわした3名が表彰台に上がりました。中でも13歳という若い二人が1-2位となったのですが、若手育成というこのプログラムを象徴するシーンになったと思います」