イメージ
  • スズキ・アジアン・チャレンジ2017シーズン第3戦がスタート

    FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)は、タイでの第2戦の後ひと月半のブランクを経て、シリーズ第3戦を開催する。第3戦の開催地は、シリーズ唯一の日本戦である鈴鹿サーキットである。

    スズキのアジア若手ライダー育成プログラムである「スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)」は、2015年シーズンにスタートし、今シーズンで3年目となる。SACは、ライダー全員が同じマシンを使用し、イコールコンディションでレースを行なうスズキのライダー育成プログラム。同じプログラムの中でライダーがその技量を鍛え、さらなる成長を促すプログラムとなっている。ヘルメットと身体ひとつで参加できるというのもこのシリーズの特徴の一つである。

    SACでは、今シーズン、昨年まで使用していたスズキ・サトリアF150から、同じ150㏄ロードモデルであるGSX-R150へマシンを変更。GSX-R150はインドネシアで生産・販売されているモデルで、日本今発売モデルであるため、今回の日本戦が初お披露目となり、関係者の注目も集め、例年以上ににぎやかな一戦となった。

    前戦のタイ戦では、ゲストライダーとして、SAC開催初年度に優秀な成績を修め、ステップアップ候補者として、2016年には加賀山就臣がゼネラルマネージャー兼チーム監督を務めていたTeam KAGAYAMA SUZUKI AsiaからARRC SS600クラスに参戦を果たしていたPatis CHOOPRATHET(パティス・チョープラテット/タイ)が参加したが、今回は、村瀬健琉選手がゲストライダーとして、このSACに参加。村瀬選手は2015年のSACに参戦し、優勝を含むランキング3位と好成績を残している。現在はミクニテリーアンドカリーチームから全日本J-GP2クラスにフル参戦を果たしている若手ライダーである。

    各国、各地域の選考会などを経て選ばれた選手たちと村瀬選手の全12名のライダーは、練習日の走行は、2日午後の1回目の練習走行セッションのみ。今回は鈴鹿のコースを走ったことの無いメンバーは6名のみと経験者が多い。鈴鹿の国際レーシングコースは、全長5.821km、メインストレート800m、西ストレート1000m、18個のコーナーを持つ、世界有数のテクニカルなコースとして知られている。

    この日は、ホームストレートで追い風となる北西の風が強く吹いており、スプロケットの番手が合わず苦労する選手が続出し、3台が転倒を喫したものの、無事に走行を終了した。このセッションでのベストタイムは#78 Punchana Kulrojchalalai(プンチャナ・クルロジチャラライ/タイ)選手の2分56秒682であった。

    この鈴鹿戦では、SACをプロデュース・監修している加賀山就臣がTEAM KAGAYAMAからARRCのSS600クラスへスポット参戦をすることとなっている。加賀山の乗るスズキGSX-R600を、あえて、SACと同じピットに持ち込んで作業を行うことで、SACのライダー、そしてメカニックたちもその作業を間近で見られる環境を作っている。この日の3回の練習走行セッションで、加賀山のベストタイムは、2分14秒156であった。

     

    八代俊二 | ライダーコーチ

    「最終ラップまで激しいバトルを展開してくれました。コースの特性上、予想していましたが、一部に無茶をするライダーがいたことが引き金となって、最後の最後で大量の転倒者が出てしまったことで、ちょっと残念なレースとなってしまいました。ケガ人がなかったのは幸いです。冷静にこの多重クラッシュをかわした3名が表彰台に上がりました。中でも13歳という若い二人が1-2位となったのですが、若手育成というこのプログラムを象徴するシーンになったと思います」