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  • 難しいコンディションを戦い抜いてつかんだダブル入賞

    ■大会名 2017 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第5戦 KYUSHU MOTORCYCLE FESTA 2017

    ■開催日
    [予選]     2017年6月24日(土曜) 天候:雨 コース:ウエット
    [予選・決勝]  2017年6月25日(日曜) 天候:雨のち曇り コース:ウエット・ドライ

    ■観客動員数 6640人(2日間合計)

    ■開催場所 大分県 オートポリス(1周=4.674km)

    ■JSB1000ライダー
    加賀山就臣 予選/3番手(2分05秒553) 決勝/5位
    浦本修充   予選/P.P(2分03秒970)    決勝/6位
    ■マシン SUZUKI GSX-R1000

    ■J-GP2ライダー
    三原壮紫   予選/12番手(2分06秒314) 決勝/DNF
    ■マシン SUZUKI GSX-proto71


    約2年振りに大分県・オートポリスで全日本ロードレース選手権が開催されました。昨年は熊本地震の影響でオートポリスも被災したため、予定されていた2戦が中止となっていたからです。

    前週に行われた事前テストは快晴の中、ドライコンディションで行われましたが、やはりドライでは抱えている問題を解決できずにいました。レースウイークに入ってもドライとなった初日は、加賀山が9番手、浦本が12番手とトップとの差がありました。

    週末は、天気予報でも梅雨前線が停滞し、雨となることが伝えられていました。さらにオートポリスは、阿蘇の自然の真っ直中にあるコース。霧が出るというよりも雲が降りてくるといった方がよく、一瞬で真っ白になるときもあった。公式予選が行われる土曜日は、朝から雨と濃霧でスケジュールがディレイとなり、他のクラスの予選が次々に中止となって行きました。JSB1000クラスもスケジュールの変更を受け、ノックアウト方式ではなく、35分間の計時で公式予選が行われることになりました。その開催が危ぶまれていましたが、奇跡的にJSB1000クラスのセッションが行われました。

    ウエットコンディションとなった予選。浦本は、武田の指示もあり真っ先にコースイン。ペースを上げて行くと計測5周目に2分03秒970をマークし、リーダーボードのトップに躍り出ます。加賀山もセッション序盤にタイムを出し3番手につけていました。その後、雨足が強くなりタイムを更新するには厳しいコンディションとなったこともあり、ほとんどのライダーがセッション序盤にベストタイムを記録。浦本がJSB1000クラスで初ポールポジションを獲得しました。加賀山も3番手となり、Team KAGAYAMAの2人がフロントローに進出する予選結果となりました。

    決勝日も目まぐるしく変わる山の天気に翻弄されます。路面は、ほぼドライとなりましたが、ウォームアップ走行が始まろうかというところでスタートディレイ。2度目のスタート進行から、ようやくレースが始まると加賀山は得意のスタートダッシュを見せホールショットを奪います。ポールポジションスタートの浦本も3番手につけました。加賀山は、オープニングラップで2番手に下がるものの、そのポジションをキープ。浦本はペースを上げられず順位を下げてしまいますが、霧がコースを覆い赤旗が提示されレース中断となりました。

    そして、3周終了時の順位でグリッドにつき、レースは残り12周で再開されます。2度目のスタートでも加賀山はホールショットを奪います。しかしドライでは、やはり厳しい状況となりポジションを落として行きます。逆に浦本は後方からペースをつかむと徐々にポジションを上げて行きます。終わってみれば上位での脱落もあり加賀山が5位、浦本は6位とダブル入賞という結果で、波乱のオートポリスラウンドを終えることになりました。

    J-GP2クラスの三原壮紫は、事前テストから調子がよくTOP6に入るタイムを記録していました。金曜日のART合同走行でも1分53秒562で5番手と健闘。

    しかし、JSB1000クラスの後に行われた土曜日の公式予選は、コースイン直後に強い雨となり、濃霧となったため赤旗が提示されます。予選はJ-GP2クラスも中止となり、日曜日の朝に行われることになりました。その予選は、雨は止んでいたものの路面はウエット。事前テストからは、この走行が初めてのウエットとなったこともあり、なかなかタイムを出すことができず12番手と悔しい結果となっていました。

    決勝はドライコンディションとなり、好スタートを見せた三原は、オープニングラップで7番手まで浮上。3周目に6番手に上がり、前を行くライダーを追います。3位争いの集団につけ、前を行く生形選手を抜こうと気持ちが先に行ってしまい10周目の第2ヘアピンで接触転倒という結果に終わってしまいます。


    ◎加賀山就臣ライダー・総監督コメント
    「ウエットでは、抱えている問題がスポイルされ、ダンロップレインのアドバンテージもあり浦本がポールポジション、自分が3番手とフロントローに並ぶことができました。しかしドライでは、ホールショットは取れましたが、ライバルのペースについて行けず悔しい展開に。現状での5位、6位は、いい結果だと思いますが、上位の脱落もありましたし、まだまだトップと差があるのが現実なので、早く問題を解決して次戦に備えたいと思っています。その前に鈴鹿8耐があるので、そこでもマシン、タイヤを改善して行きたいですね。三原は、表彰台が狙えるレースをしていましいたが、生形選手を巻き込み転倒という最悪な結果に。Team KAGAYAMAオーナーとして生形選手を始め、関係者の皆さんにお詫び申し上げます。」

    ◎伊神常高 加賀山担当チーフコメント
    「天気に翻弄されたレースウイークになりました。レースでは、コンディションに合わせ切れずペースを上げることができませんでしたし、5位と言っても上位陣の脱落がありましたからね。今回は、天気に助けられた部分もあったと思います。鈴鹿8耐に向けたテストも、すぐに始まりますし、ドライでも速く走れるマシンを作って9月のオートポリスでもいいレースができるようにしたいですね。」

    ◎浦本修充ライダーコメント
    「予選では、コンディションなどラッキーな部分もありましたがポールポジションを獲ることができました。SUGOのときもウエットでは、感触がよかったので狙って行った結果です。レースでは、ドライでしたが難しいコンディションに適用できず悔しい展開となりました。それでもペースをつかんでから追い上げて行けたので今後につながるレースになったと思います。もっとスキルを上げて鈴鹿8耐、そして全日本後半戦でチームに貢献して行きたいです。」

    ◎武田雄一 浦本担当チーフコメント
    「雨となった予選では、後に出て行くと前を走るライダーの水しぶきで視界が狭くなるので、先に出ていって走りやすい状態でペースをつかむことを指示し、それがうまく行きポールポジションと出来過ぎでした。決勝は、ドライとなり経験不足が出てしまいましたが、レース終盤にペースをつかんでからは、いい走りができたと思います。この走りが、序盤からできるようになれば、もっと上を狙えるはずです。ここから8耐モードとなるので、戦闘力を上げて行きたいです。」

     

    ◎三原壮紫ライダーコメント
    「オートポリスラウンドは、事前テストから調子がよく、タイムも出ていたので表彰台を狙っていました。予選では、ウエットでうまくタイムを出すことができませんでしたが、決勝ではスタートが決まり、3位争いを繰り広げていました。目の前の生形選手のペースが落ちてきたので、早く抜かないと前に置いて行かれると思い、焦っていたんだと思います。何よりも巻き込んでしまった生形選手にお詫び申し上げます。頑張ってくださっているメカニック、チーム、スポンサーの皆さんにも申し訳なく思います。次戦こそ、しっかりレースができるようメンタルと身体を鍛えて備えます。」

    ◎尾関周作 三原担当チーフコメント
    「事前テストでは、調子がよかったのですが、金曜日に少し波が崩れてしまいました。土曜日に予選ができず、日曜日に予選・決勝となりましたが、ウエットではタイムを出すことができずグリッドは後方になっていました。決勝はドライになり、スタートを決めて本人も自信があったようですが…。 J-GP2クラスは、少しインターバルが空きますので、もっと落ち着いたレースができるように準備したいと思っています。」