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  • スズキ・アジアン・チャレンジRd.4、プンチャナ選手(タイ)がポール・トゥ・ウインを達成

    加賀山就臣がプロデュース・監修するスズキのライダー育成プログラム「スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)」が組み込まれているFIMアジアロードレース選手権 (ARRC)は、2か月強のブランクを経て第4戦インドネシアのセントゥール・インターナショナル・サーキットで開催となる。

    2015年に発足し、3年目のシーズンを迎えたこのシリーズ。世界に通用するライダーを輩出するべく組まれたこの若手育成プログラムで、アジア各国から選ばれたライダーが参戦している。今シーズンはインドネシアで生産されているスズキGSX-R150を使用している。

    シーズン全5戦で行なわれるこのSACにとっては重要な終盤戦の1戦となる。SACは1イベント2レースが行なわれるスケジュールとなっており、この第4戦も、8月12日(土)に2レースのグリッドを決める予選とレース1、13日(日)にレース2が行なわれることとなる。

    今シーズンは、これまで3戦6レースが行なわれ、#29 Mario Borbon Jr.(マリオ・ボルボンJr./フィリピン)、#16 April King H. Mascardo(エイプリル キング・マスカルド/フィリピン/2勝)、#17 Fujita Tetsuya(藤田哲弥/日本)、#78 Punchana Kulrojchalalai(プンチャナ・クルロジチャラライ/タイ/2勝)の4名の勝者が登場しているが、中でも鈴鹿の2レースを完全制覇したプンチャナ選手が頭一つ抜け出した形でポイントリーダーとなっている。

    昨年の2回の練習走行でのトップタイムは、地元インドネシアの#11 Ahmad Saugi Muchtar(アーマド サウギ・ムクタル/1分59秒672)であったが、午前中に行なわれた予選セッションでは、前日夕方に行なわれたベストタイムに肉薄する1分59秒711のタイムを出したプンチャナが鈴鹿に続いて2戦連続でポールポジションを獲得。地元のサウギが2番手に、コンマ009秒遅れて入っている(サウギにとっては、開幕戦と同じ最高位グリッドとなる)。3番手にエイプリルが入るものの、ゲストライダーの#1 Jefri Tosema(ジェフリ・トセマ/インドネシア)を含む4名がトップ6に入っており、インドネシア勢の包囲網が出来上がっていた。

    そして迎えた午後4時10分、全8周で行なわれるSAC第4戦レース1はスタートした。ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのプンチャナだったが、後続を引き離すことは叶わず、ほぼ全車が大きな集団となって走行を展開。トップ争いオープニングラップから常に目まぐるしく入れ替わり、その大きな集団のまま最終ラップに突入。そしてこの最終ラップで、横に並んだサウギと#27 Nur Alfath Sam Ahmad(ヌル アルファッ サム・アーマド/インドネシア)、そしてジェフリの3台が接触し、2台に挟まれる形でアルファトが転倒。さらにジェフリも転倒、と2件の接触クラッシュが続出。最終的に、プンチャナがチェッカーを真っ先に受け、鈴鹿での連勝に続く、3連勝を達成した。

    続くSAC第4戦レース2は、8月13日午前11時10分にスタートする。レース距離は8周となる。

    Punchana Kulrojchalalai(プンチャナ・クルロジチャラライ)| #78
    「以前に一度走ったことのあるサーキットでしたので、今回はレースウィークに入る前から同レース運びをするのかずっと考えてきました。昨日の練習走行で、最終コーナーの立ち上がりからチェッカーラインまでの伸びが足りないということで、今回はメカニックと、最終コーナーからの立ち上がりで負けないようなセッティングにしてもらいました。
    レースは全員が同じように速く、集団の中で前に出たり後退したりを繰り返していました。初めは前に出て後ろを引き離そうと考えていましたが、それができなかったので、何度か後方に下がってラインを探っていました。明日のレース2もチャンスをうかがって前に出ていければと思います」

    加賀山就臣 | ゼネラルマネージャー
    「今日のレースは、最終ラップまで14台がトップ争いを展開するという、非常に見応えのある面白いレースでした。しかし、最終ラップで、ラインがクロスしたことで、2名の転倒者が出ました。このことは残念だったと思います。今後、この件についてはしっかり指導をしていきたいと思っています。明日のレースは頑張ってほしいと思います」

     

     

     

    八代俊二 | ライダーコーチ
    「今回、レースの内容がし烈だっただけに、最終ラップでの接触・転倒は非常に残念でなりません。いいレースだっただけに最後までクリーンなレースをしてもらいたかったし、後味の悪いレースとなってしまいました。幸いなことに、ひどい転倒でしたが、ライダーに大したけがもなく無事に終わったことはよかったと思います。明日こそはクリーンなレースをしてもらいたいと思います」