-
2017.8.15
スズキ・アジアン・チャレンジ、第4戦レース2はジェフリ・トセマが優勝
加賀山就臣がプロデュース・監修するスズキのライダー育成プログラムである「スズキ・アジアン・チャレンジ(SAC)」は、2017シーズンも終盤戦となる第4戦を、インドネシアにあるセントゥール・インターナショナルサーキットで迎えた。
SACは、2015年に発足。FIMアジアロードレース選手権 (ARRC)の一戦に組み込まれ、3年目のシーズンとなる。アジア各国から選抜されたライダーが、同じスズキGSX-R150でともに戦いながらライダーの素質を磨いていくというプログラム。1イベント2レースが行なわれるが、今回のインドネシア戦では12日(土)に予選、レース1が行なわれた。
ポールポジションは#78 Punchana Kulrojchalalai(プンチャナ・クルロジチャラライ/タイ)、#11 Ahmad Saugi Muchtar(アーマド サウギ・ムクタル/インドネシア)、#16 April King H. Mascardo(エイプリル キング・マスカルド/フィリピン)の3名がフロントロウに並ぶ。
レース1ではプンチャナがポール・トゥ・ウィンを飾ったが、接触転倒が2件あり、危険行為を犯したとして、2番手スタートのサウギを含む2名がピットスタートの処分を受け、このレース2に臨むこととなった。
このレースウィークで、もっとも暑くなったこの日、会場には各チームの応援団が集まった。スズキの応援団は、アジアで販売しているサトリアやGSX-Rのオーナーズクラブなど、予定していた2000台を大きく上回る3000台ものバイクが集まり、グランドスタンドには大応援席が出来上がり、参戦する選手たちに大きな声援が贈られていた。
そして全8周で争われる決勝レース1は午前11時10分にスタート。このレース2でもほぼ一つの大きな集団となってレースは展開していく。序盤からポールスタートのプンチャナ、そして#17 Fujita Tetsuya(藤田哲弥/日本)がレースを引っ張る展開。そこに、#43 Edward Faulkhead(エドワード・フォルクヘッド/オーストラリア)、そして今回のゲストライダーである#1Jefri Tosema(ジェフリ・トセマ/インドネシア)が絡んできて、順位を変えながらトップ争いを展開。最終ラップもその混戦が続く。しかし、残り2つのコーナーでジェフリが抜け出し、その差を縮めることがないまま、チェッカー。プンチャナ、藤田がそれに続いて表彰台を獲得した。
気になるポイントランキング争いでは、トップのプンチャナがさらに他を引き離すこととなり、タイトルに王手を掛ける結果となった。ランキング2番手のエイプリルとのポイント差は33に拡がっており、最終戦タイでの2レースで18ポイント、2レースともに7位以内に入っていればタイトル獲得となる。
SACはこれから長めのブランクを経て、2017シーズン最終戦となる第5戦は、第2戦と同じくタイにあるチャン・インターナショナル・サーキットで12月2日(土)~3日(日)に開催となる。
Jefri Tosema(ジェフリ・トセマ/インドネシア)| #1
「昨日の(レース1での)転倒で左手薬指を怪我してしまって、そんな状況でも無事にレースを勝てたことは非常にうれしく思います。今年SACで使用しているGSX-R150は、今回初めて乗るバイクでしたが、レースを楽しむことができたし、こっちのほうが自分好みでもあるので、よかったです。今年のSACメンバーは、皆が皆速いですね。特にプンチャナ選手は、去年自分のライバルだったロザリマン選手と同じように強くて速い。彼らと一緒に走れたことはいい経験でした」加賀山就臣 | ゼネラルマネージャー
「今回のセントゥール戦では、昨年に引き続き、非常に多くのスズキ応援団が来てくれて、大いに盛り上げてくれました。選手たちも勇気づけられていい走りができたと思います。レースも、クリーンな展開でとてもいいレースとなりました。インドネシアの皆さんと、このSACにご協力いただいている皆さまに感謝申し上げます。今シーズンのSACも残るは最終戦のみとなりました。選手たちがより一層成長できるように環境を整えておきたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします」
八代俊二 | ライダーコーチ
「レース1と異なり、今回のレース2は、クラッシュもけが人もなく非常にクリーンなレース展開で、昨日の反省を活かしてくれたという点は非常にうれしく思いました。特にゲストライダーのジェフリは昨日怪我を負う残念な結果となってしまいましたが、今日はきっちりと優勝し、実に見事でした。また、大応援団も駆けつけてくれて、こちらも盛り上がってしまうほどのいいレースとなり、アジアの勢いを感じるレースでもありました。表彰台に上がったプンチャナはしっかりとポイントリーダーを死守し、チャンピオン獲得にさらに近づけてきましたし、3位に入った藤田選手は、昨日競り負けた部分をしっかりと挽回し、表彰台へ上ることができ、よかったと思います」